極寒の中敢行したオーバーホールから早一年、ガレージ用のはずだったアラジンですがエアコンでは感じられない炎の暖かさと音がないという利点が家族にばれてしまい12月からは屋内で使用しています。
するとですね・・・・ガレージでは全く気にならない(むしろ良い)オーバーホールしてもしきれない外観の”やれ”が気になってくるのですよ。
そこでこれからやってくる本格的な寒さの前に(去年のオーバーホールは本当に寒かった)アラジンを格好良くカスタムしちゃおう!というのが今回の企画です。
モチーフはこれ。
オークションでは常にプレミア価格で取引されているブラックエディションですが、全周ガラス窓より今の時点ではレトロな丸窓の方が好みなのである意味では作るしか手に入らないプライスレスなものにしたいと思います。
アラジンを格好良くカスタムしちゃおう!【準備編】
ストーブを塗装するに当たって知っておかなくてはいけないこととして各部の温度があります。それによって適した塗料を選ばなくてはいけません。
調理用の温度計で各部の温度を調べてみました。
- 上面板(天板)・・・226℃
- 呼び方は分からないがガード(上枠)とボイリングプレートの間のシルバー色の板金金物・・・92℃
- ガード(上枠)・・・場所によって40~75℃
- のぞき窓枠・・・168℃
- ギャラリーの外側に露出している部分・・・48℃
- チムニー・・・温度計の耐熱温度限界により測定不能だが400℃程度であるという記事を見た気がする。
ということで耐熱塗装が必要なのは上面板とチムニーのみでした。色々調べてみると耐熱塗装で艶があるものは耐熱温度200℃までで600℃までとなるとマットブラック(艶消し)になるようです。
タンクやガード部分は耐油性能の期待できる2液性ウレタン塗装とします。
※塗装作業中はマスク必須です。木工、溶接、研削、清掃とあらゆるシーンで使えるものなので一個持っているといいですよ。(私の場合塗装頻度が少ないので最低限ミストだけ防ぐつもりで着けていますが頻繁に塗装する人は別売されている吸収缶を付ければ安心です。)
アラジンを格好良くカスタムしちゃおう!【実施編】
とりあえずビフォーの状態はこんな感じ。
上面板のホーローが剥がれてきています。
チムニーにうっすらとひび割れの様なものが見られます。これはこれで味と言えるかもしれないけど・・・・
この部分はさすがに見栄えが気になります。
今回1年にしてカスタムペイントを決断するに至ったのは実はこれのせいです。
酔っぱらった勢いで注意書きのステッカーを剥がしたところ古くなっていた塗装ごと持っていかれてしまったのでした。
アラジンブランドロゴのステッカーはどうしようか・・・・普通ならエンブレムの形に四角くマスキングするのですが、試しにマスキングテープを貼って剥がしてみたところ黒い部分が一部剥がれて下地の白が出てきてしまいました。上の件を経験していたおかげです。
ということで面倒ですがデザインナイフで文字残しのマスキングとしました。
あー・・・見たばかりな気がするこの景色。
綺麗に塗装したければここまでばらす必要があります。
芯はビニール袋に一時避難しました。
タンクのマスキングはこんな感じ。底面も塗りたいのでせめて90度程度には立てられるようにある程度灯油は抜いてあります。
ここでやっと登場・・・2液性のウレタン塗料はイサム エアーウレタン 艶ありブラックです。その日に使い切らなければいけない等制約もありますが艶っっ々の黒に仕上がります。冬であれば35℃程度に湯煎して使いましょう。泡だらけになってしまいますので40℃は超えないようにした方が良いと思います。
ノブと耐震装置カバーのつまみボルトも一緒に塗りました。
ムラのように見えていますか?よく見てくださいそこに映っているのは植栽です。
タンクとガード部分。何とかして一度に全体を塗れる工夫をします。
裏側も。すっかり書き忘れていましたが、下地処理は今回やりすぎない程度にしました。
スクレーパーで強めに擦って剥がれてしまうところだけ剥がして後はパーツクリーナーで脱脂しただけです。ホーローもなるべく残した方がいいと思ったのと2液ウレタンの隠ぺい力に期待した結果です。
ギャラリーの真鍮のゴールドと艶々のブラックの組み合わせが何だかとってもゴージャス。
チムニーと上面板は耐熱塗装です。※最後まで読んでください。チムニーは最終的に塗装をやり替えています。
風景がモヤっとしているのが分かりますか?クレの耐熱ペイントコートはストーブの熱を利用して1時間加熱することで硬化します。(硬化する過程でこの様に煙が出ます。)
逆にそれまでは柔らかくてすぐに傷ついてしまうので注意が必要です。
この辺は当人の性格にもよるでしょうが私なんかはのぞき窓の組付け、ガードへの組付け時は爆弾処理の気分でした。
耐震カバーレスの状態も悪くない。ちなみにこれ、塗りっぱなしで磨きは一切していません。上手くすればこれくらい艶が出せます。
カバーの文字のマスキングもまあまあの結果。※この後アクリル絵の具で少し修正しました。
艶とマットのバランスが絶妙。
全体を耐熱塗装で塗ってしまっている人いるんですけど、あれ固まってないと思うんですよね。ヤフオクとかメルカリで売って後でクレームにならないのかなぁ。
カバーはつくづく今回のやり方で良かったと思います。
さて、よく読んでくれた人はお気づきの通り今回これで終了とはなりませんでした。
次項『チムニーは耐熱600℃ではだめなので耐熱1000℃にしてみた。』へと続きます。