何を思ったか唐突にロードバイクを始めてしまいました。
ロードバイク自体が高い上に初めにそろえなくちゃいけないものだけでも沢山あって気が付いたら大変な出費に・・・・さすが貴族のスポーツというだけあります。
そこで今回は私の様にお小遣いを使いすぎてしまったお父さんのために送る”買ったら結構高いものをそれ以上の機能を持たせてDIYで安く作ろう”というcraftsmanが大好きな企画になります。
ロードバイクを車載する
ロードバイクを車載するスタンド(キャリア)というものが販売されていますね。
ミノウラ製のVERGOというモデルがクイックリリース、スルーアクスル両対応で有名です。こちらのモデルもちろん良く出来ているのですがレビューを見たり私が使い方を想像するに普及タイプであるが故のウィークポイントがあります。
- 前輪を外しキャリアにスルーアクスルを固定する時にレールに干渉してレバーが回らない。
- 車体を押さえながらスルーアクスルを通すのが困難。
1についてはオプションでスペーサーが出ていますが、総じて問題は元々のクイックリリースのために設計したものを生かした追加設計であることにあると思います。
だったら私が欲しい車載スタンドを専用設計で製作してしまえばいいんじゃない?
私が欲しい車載スタンドの仕様
- 取り付けが簡単。
- ロードバイクの塗装に傷を付ける心配が少ない。
- アルファードの3列目シート片側を跳ね上げた時に無理なく車載出来る。
- 3列目シート両側を跳ね上げた時にロードバイク2台が無理なく車載出来る。
- ハイエース(荷台が2段に改造してある)にも車載出来る。
- 必要な時のみ使い普段は車から外しておける。
- ロードバイクを縛ったりしなくても安定して車載出来る。
- ミノウラのものの半額以下、できれば1/3以下の原価で作る
大分詰め込んでいるように見えますが・・・・大分詰め込んでいますね。
もちろん全ての仕様を満たす大満足の車載スタンドが出来ましたのでお楽しみに。
製作編
今回は自作といっても全てを一から製作するのではありません。
核となるパーツは『YUEN-I製フロントフォークホルダー M80』というもの。
アルミ製で軽く、各種アダプターがついています。私が買った時でなんと1357円。
まずはここから始めます。
アダプター(樹脂)をヤスリで成形します。右がビフォーで左がアフター。
スルーアクスルの12㎜は規格化されていますがバイクによってホイールハブの嵌るここの段付きの寸法は多少違うと思うので塗装を傷めず軽く嵌る様な寸法にアダプターの外径を整形します。
本体に組み込んで幅方向(アダプターをどれくらい挿入するか)を決めます。
3Dプリンターでカラーを作り・・・・
カラーを挟んで組み立てることでスッと嵌る上にスルーアクスルのレバーで締めこむことができる専用ブラケットへと昇華させます。
締めこまなければいいという人もいるようですが、これは絶対締めこんだ方が車載時のフォークへのダメージが少なくなるはず。
ちなみにホルダーにアダプターを挿入する際「叩き込む程」だとレビューしている人がいるのですがシリコングリスを塗ってみてください。私の場合は素手で取り外せる位に嵌りました。※樹脂を侵さないシリコングリスが良いです。
ベースとなるのは2×4の木材です。トリマーでの加工が済んだ状態。
この他に手持ちのM6ナットが4つと後で追加購入したもう一台分のフォークホルダーが入れば必要な部品は全てになります。
段付き部分のアップ。
同部分の裏側。
トリマー1台あれば全部の加工ができてしまいます。
何気に今回一番高かった縞鋼板模様の滑り止めゴム(両面テープ付き)・・・まんべんなく移動しながらクランプしてあげると強力に貼り付きます。
格好良かったのでこのゴムを選びましたが拘らなければ(車の荷室に使うエプトシーラー系のものなら)百均とかでも手に入るかも知れません。
後でやっぱり固定が必要だった時用にサービスホールを空けておきましたが結果としては必要なさそうです。
分かりますよね?反対側の穴からボルトを通してナットで固定します。もちろん適宜ワッシャー等入れてください。
イメージ的にはベースとなるこちら側はこの状態で車に載せておきます。
ロードバイクは予めこのフォークホルダーにセットしておくのがポイント。(写真は仮組時のものなのでどうか勘違いされないように・・)
そうすることで台座へのセットが簡単になるだけでなくフォークの傷防止になります。仮にそのまま地面に置いてもフォークは無事です。
段付きに嵌ることでノブナット一個でも固定が出来る様になります。
ノブナットのキャップを取り付けてキットとしては一応完成。
仮に60km/hの事故に遭ったとして、受けるGが34G・・・・
M6ボルトのせん断荷重に対してロードバイクの重量(多めに10kg)で簡易的に計算してみたところ安全率2~3倍見てもM6一本で大丈夫そうでした。
(34Gはノーブレーキで衝突安全ボディー無しのケースでしょうし、そもそもこの固定方法だと台座ごと滑って後部シートに当たるので問題になるのはそこじゃない気がしますが。)
実際に車載してみる
実際に車載してみましょう。
ロードバイクはひっくり返して置くと楽です。設計通りに出来ていればフォークのハブが嵌る部分にスチャッと乗りますのでそのままスルーアクスルシャフトを締めてしまいます。
車の方にベースをセットします。今回はロードバイク一台分なのでこの様にすれば4人乗車が可能です。
ベースに生えてるボルトにロードバイクに取り付けたホルダーをセットしノブナットを締めるだけ。めっちゃ楽!
(当たり前だけどベースに取り付ける時ホルダーの角度を調整し直してね。)
これなら車体(この場合ロードバイクも車も)に傷を付けないか緊張しながら筋トレの様に片手で車体を浮かせた状態でスルーアクスルシャフトを通すという無理ゲ―にチャレンジする必要はなくなります。
ロードバイク女子だってらっく楽ですよねきっと。
跳ね上げた3列目シートに干渉せず且つ必要とあらば2台の車載が可能な寸法を実現できました。(というか多分これもっと後ろに積めば2列目に3人座れるな?)
そういえば外したホイールの事を一切考えていませんでしたが丁度いいフックが既についていたのでそれに引っ掛けました。
・・・・・・解決?
アルファード(ヴェルファイア)乗っている人多いでしょうし、結構寸法詰めたので他にも多くの車種に対応できそうな気がするので図面をnoteに置いて置きました。
ついでにフォークホルダー用のカラーのstlデータも置いておきます。シャフトは規格化されているのでこれも多くの車種で合う気がしますがあくまでおまけですので自己責任でお願いします。
(ちなみに私のロードバイクはメリダ、スクルトゥーラのディスクです。)
※必要なボルト類の長さ等も記載しています。
ロードバイク車載スタンド(キャリア)を自作しよう(図面データあり)
アルファードは一応20系用に設計しましたが見たとこ30でも行けそうです。
作った人がいたら是非情報を共有してください。