Hot Rod Deluxe MOD(改造)③からの続きです。
前回のNFB(ネガティブフィードバック)MODを経てツイード期フェンダーアンプの様なきらびやかなサウンドに近づきましたがここで仕上げを行います。
マスターボリュームMOD
ホットロッドデラックスは40Wです。大きなボリュームでもクリーンな音を出せるということではツインリバーブ程でなくても素晴らしいものがあると思います。
この特長からエフェクターを繋いでドライブさせてあげた時には本当に素直な出音に感動さえするのですが・・・・やっぱりデラリバとかそれ以下の小出力アンプで出せる真空管をドライブさせた音も良いなと思う我儘な私です。(しかも同じアンプで。)
ブレイクアップするまでボリュームを上げられるか?
40Wのホットロッドは環境によってはボリューム3位から爆音になってしまいます。
その上前回行ったNFB-MODはゲインが上がりますので、益々ボリュームは上げ難い方向に。
そこでいよいよマスターボリュームMODの必要性が出てきます。
※大前提として私はドライブチャンネル、モアドライブチャンネルは一切使いません。今回の改造はマスターボリュームを追加することでクリーンチャンネルでボリュームを上げられるようにし、(他チャンネルとは全く違う昔ながらの)ドライブサウンドを得るというものです。もっと言えば思いっきりボリュームを上げられる環境にある人には全く必要ないものかもしれません。
参考
図の通りにやればマスターボリュームは増設できるのですが、リバーブの前に挿入するという意味では実はプリアンプアウト、パワーアンプインに入れてるのと同じことでこれは本文中にもちゃんと記載があります。
『プリアンプアウト、パワーアンプインの間に可変抵抗を入れるか、またはボリュームペダルのようなものを入れればこの理論をテストすることが出来る。』と。
で、気に入ったとして、リンク先ではどこか後ろの方にマスターボリュームを付ける穴を開けています。私なら前回エクストラスピーカージャックを外してNFB調整つまみを付けてしまったので今度はヒューズ辺りを外して付け替えるのかなー・・・などとズボラなことを考えはじめたところでやめました。
だって、NFBはそうそういじらないからそこでいいですけど、マスターボリュームはちょいちょいいじりたいですからね。ズボラな私が耐えられる訳がありません。
ということでこうしました。
やっぱりマスターボリュームはここにないとダメです。よくよく考えてみたらプリアンプアウト、パワーアンプインって使ってなかったんでそのままポットを差しっぱなしにして使うことにしました。(空間系をここに繋いでいる人には申し訳ないですけど、私はインプットの直前に繋ぐ派です。)
よってこのMODで基板をいじることはありません!
それから、クドいようですが左にあるマスターボリュームと今回のそれとは全く機能が違いますので混同なき様お願いします。
フェンダーブラックフェイス純正ノブが一番高い買い物でした。ダイヤル指針はダイオードの足を適当にハンダ付けしたものです。
結線方法はこんな感じになっていると思います。(上の図はネットで拾ったものです。)
結線と言ってもなるべく目立たなく低く小さくしたかったのでフォンプラグを分解したもの2つを曲げたり切ったりして作った配線レスのハンダ工作です。
適当なフレキシブルさが芯ずれを吸収してくれて中々優秀な感じに出来ました。
右と左のプラグが違うものですがもちろん意味はありません。ただ、手持ちに同じものがなかっただけです。
レビュー~全MODを通して~
これはね・・・・・素晴らしいです。
アンプの幅が広がるという言葉を使う人が他にいたか分かりませんが言わせてもらいます。
何しろ元々クリーンで大音量もいけましたからね・・・・プリ管ドライブサウンドまで出せたらそりゃアンプの幅が広がったと言うしかない。
弊害として一番お気に入りのJANRAYを踏む機会がほぼなくなってしまいました。NFB-MODとマスタボリュームMODで倍音一杯になってしまったからです。(逆にMODナシで倍音一杯にしてくれたJANRAYは素晴らしいエフェクターだったってことでしょうね。)
上で作ったマスターボリュームポットはホットロッドデラックスの他にデビルやブルースデラックスにもポン付け出来るみたいです。(ということで売りさばいている猛者がアメリカにはいたりします。)
ちなみに、40ワット、ダイオード整流ということでスピーカーの口径こそ違えどすぐに思い浮かぶ機種にスティービー・レイ・ボーンの改造Vibroverbがありますが(本人のは50Wだったかも)、全改造を終えた私のホットロッドデラックスで同じ音(近い音ね)を出そうとやってみたところ・・・
『”LENNY”の音』
(そもそもこれがヴァイヴロヴァーブの音なのかどうかも知りませんがとにかくスタジオ録音のその音にチャレンジ)
Bright:on
volume:10(今回のMODで無理なく設定できるようになった。10であって12でない。マスターボリュームを適宜調整。)
base:4.58
middle:4.36
treble:8.5
reverb:3
presence:0
NFB調整ツマミ:2.7kΩ(前回の記事を参照のこと)
3Sストラト、フロント+ミドルピックアップ
で、聴感上は非常に似た音が出ました。(出た気がする!)
まあね・・・この辺はマニアな御諸兄の多い所ですからね、中古のホットロッドでSRVの音が出てたまるかとか言われそうですけど、夢があっていいんじゃないでしょうか。
ブラックフェイスっぽい音、ツイードっぽい音が欲しい人は感電に気を付けながらやってみてください。
コメント
おお、かなりいい雰囲気出てますねー!
マイク録音でこれなら実際のアンプの音はちょうどいい抜けた音がしそうで、すごく好みの音です。
Hot Rod Deluxe良いアンプですけど、このMODはすごいですね!
次の企画も楽しみにしてます!
かりおんさん
いつもコメントありがとうございます。
喜んでもらえて良かったです。テストしててEmaj13をうっかり鳴らさなければ普通のサンプル動画が出来上がっていたと思うんですが・・・なんかすいません。(笑)
抜け感、音質ととにかく改造前からではかなり変わってますよね。
企画といえる位の大物は分からないですけど小ネタは結構溜まっていたりします。
はじめまして、私もホットロッドデラックス所有しております。
このマスターボリュームに使っているポットは何Kの何カーブでしょうか?自分でもやってみたいと思います。
だっちさん
コメントありがとうございます。
ぜひぜひやってみてください。
本文中に参考元としてリンクしているページのままに、1MΩのオーディオテーパーです。
早速作ってみました~
ボリューム6~7くらいで若干歪んだ感じめっちゃ良いですわ^^
だっちさん
報告ありがとうございます。
喜んでもらえて良かったです。
これは本体無改造で出来る点が良いですよね。
ちなみに前回までの記事の中には本体をちょっといじりますがお気に召される改造があるかも知れません。ご参考まで。
質問なんですがマスターボリュームを1番絞っても若干音が漏れてるんですが何か配線間違いとかでしょうか?
購入したボリュウームポットはhttp://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/167774/
なんです。
だっちさん
ボリュームを一番絞るってことはポットの最大抵抗値ってことだから漏れていいんです。仕様であり間違ってないと思います。
もっと小さい音が必要なら更に大きな値のポットにしなければなりませんが美味しいところの調整がシビアになります。
ありがとうございます。安心しました^^
①~③までやってみたいのですが
リバーブは抵抗の足をカットするだけですから出来ると思いますがリバーブの感じがどのように変わるのでしょうか?
モワッとする感じですかね?
②はコンデンサーなど揃えるのにけっこうお金かかりそうですね^^;
③は是非やってみたいのですがこれはR68の両側からボリュームポットにつなげればいいんですよね?
紫の線がアースでしょうか?
だっちさん
1.表現に対しての回答は危険なのでハイパスをカットするというところから考えてもらうしかないかな。
リバーブに関してはかなりメジャーな改造です。
本文中にリンクしてるスペイン語のページに分かりやすい動画があったかも。
2.ギター屋さんでオレンジドロップとか買うと大変な事になるでしょうが電子部品屋さんなら数千円ですべて揃います。
3.・・・ではないです。R68をショートすると下の改造をしなくてもテストできますよという意味です。これは元に戻せるので実はこれ(テスト)からがおすすめです。
やっぱり回路図以上に詳しい説明は出来ないかな・・・ごめんなさい。ストックの回路図と見比べればどうすればいいかわかるでしょう。
自己責任でトライして下さい。
吉報待ってます!
こんにちは。当サイト楽しく拝見させて頂き、かつ勉強させて頂いております。
一つわからない事があるのですが、この増設マスターボリュームのポットについてです。
質問欄で1Mポットをご使用とのことですが、プリアンプアウトからのボリュームとして使う場合ローインピーダンス向けポットを使うのが良いと別の本にあったのですが。
例えばEWSから出ている同様のエフェクトループ間接続のパッシブボリューム製品では単純に25KΩのポットを使用しているようです。
1Mポットですと音質劣化などの問題はないのでしょうか。
こんばんは。コメントありがとうございます。
飲みながらの回答になってしまいますが・・・・恥ずかしながらローインピーダンスポットなるものがあるということは今回初めて知りました。
思うにポットによる音質劣化は実際あると思います。そもそも出ている音を抵抗を設けて小さくする訳ですから必要な高域が抜けたりなんだりはあるでしょう。
私がこのMODを行ったのは自宅で良い音(ドライブ感)を出すためであり、ライブハウスなどで音量を気にせずボリュームを上げられるなら必要ないものなのです。
もし、自宅でもより良い音でということでしたら、絞れる音量が少なくなってしまいますがもっと抵抗の少ないポットにすると必要なところで細かく可変できるとかはあると思いますが同じメーカーの1Mポット25kポットで必要な音量で音質劣化があるとは思えません。
でも、ポット自体の質が良くて良い音が出るならそういうことはあるのだと思います。回答になっているでしょうか。
早速のご返答ありがたく存じます。
ボス/ローランド社でもボリュームペダルにはハイ・インピーダンス用とロー・インピーダンス用発売されておりますよね。バッファなどの入ってない旧式のタイプでは抵抗の値がそのまま区分になっているようです。ハイインピ用には500k、ローインピ用には20~50kほどの可変抵抗が使われているようです。アンプのセンドリターン間に使うボリュームペダルにはローインピーダンス用ボリュームペダル、という頭があったので質問させていただきました。実際の抵抗値の音質についてはこれから自作で作ってみて比較してみようかと思います。ご指摘の通り製品化されているものは軍用などの比較的高額高品質なポットを使用して音質を確保しているようですね。
参考になりました。ありがとうございました。
初めまして、
最近このブログを発見しました。
いろいろ自作されているようですが、
それらの機材で作った音源は、どこで聞けますか。
非常に興味があります。
リンク先など教えていただけたら幸いです。
よろしくお願いします。
興味を持っていただいてどうもありがとうございます。
残念ながら私の方で現在公開できる動画はもっておりませんが、私のやっている改造やエフェクターはほぼ元ネタがありますので参照先やワードで検索してもらうと参考音源が沢山見つかると思います。