Hot Rod Deluxe MOD(改造)①からの続きです。
前回のリバーブMODに続いて今回はいよいよトーンスタックの変更に挑戦します。
トーンスタックMOD
私の理想とする典型的なブラックフェイス期フェンダーサウンドとHot rod deluxeではどこが違うのか検証しながら値を決めていきます。
これはツインリバーブのトーンスタックです。デラックスリバーブではミドルが固定ですがツインリバーブの設定を68%にしたところということらしいです。
余談ですがこのTone Stack calculatorというソフト・・・・メモリは0から10までですが、あくまでパーセント。フェンダーのノブ10のものは実は1が0なんでTSCの方を1~11までという風に置き換えるなりして対比計算してあげないといけません。さらにややこしいことにホットロッドは12です。もうね、エクセルシート作っちゃいました。
話を戻すとデラリバのミドルをツインリバーブで合わせようとするとメモリは6.8でなく7.1になると思います。結構前者に言及しちゃってるブログがあるのですがやっぱり私が間違っていたら教えて下さい。(やさしくそっと)
で、ここにピンクで描かれてるのがストック(純正)状態のホットロッドデラックスのトーンスタックです。R1,C3,R4の値が違います。
ここから可変抵抗の値(下のスライド)をいじってみますが・・・
こんな感じで近づけようにも近づかない現実。100hzからちょっと上までの値がグッと盛り上がっています。これがホットロッドの低音がブーミーと言われる所以の一つであることは分かりました。
- R1(HRDのR12)を130KΩ→82KΩカーボンコンポジション抵抗へ
- C3(HRDのC6)を0.022μF→0.047μF(オレンジドロップ)へ
上でR1を100kΩとしてしまえばツインリバーブと一緒になったのですが、56k~82kΩの間で選ぶと良いという意見が何個か見られましたので一番近い82kΩを選びました。これはトーンスタック以外にも回路違いで音質に影響している部分があるためだと思っています。(・・か、私とは違いベースマン辺りを理想としているか・・・でも12インチで56kやっちゃうと・・・どうかな。)
他にも
- C2をオレンジドロップ0.047μFへ(定数は変わらず)
- C10をオレンジドロップ0.047μFへ(定数は変わらず)
- R105を100kΩ(1/2w)カーボンコンポジション抵抗へ
- ベーストーンキャップC5を0.1μFオレンジドロップへ(定数は変わらず)
- C1を47μF→22μF(電解50V)へ
- マスターカップリングキャップC11を390pF→1nF(シルバーマイカ)へ※HRD3の定数ということ
- ミドルポットとベースポットを一部ショート※ミドルを0にした時音が漏れず(全コントロール0で無音になり)トーンコントロールの効きもスッキリと良くなるらしい。方法
- トレブルトーンキャップC7を250pFシルバーマイカへ(定数は変わらず)
- (これはついでですが)プレゼンスのC29を上で外した0.1μF(C5のフィルム)へ
という改造を行いました。(上記はTSC上ではなくhot rod deluxe回路図内のナンバー)
これらは殆ど多すぎるボトムを減らす方向のもののようです。(オレンジドロップ化は別ですが)
ミドルポット25KΩを10kΩにしてしまえばそれこそツインリバーブと同じ働きになりそうですがデラリバの6.8KΩの設定、ブラックフェイスのマジック6(流行らないかもしれませんがトレブル6、ミドル3、ベース2の設定)、他にも実用範囲の設定は既存のポットでも十分に対応出来たのでそのままにしました。(10kΩと比べ調整はちょっとシビアになるが下限は一緒で中低音の上限が増えている)
※ちなみに私と同じトーンスタックにした場合TSC上の検証結果を各ノブのメモリ(HRDの12メモリ)に当てはめると
『マジック 6』
ベース:2.29
ミドル:1.74
トレブル:7.41
『デラリバの固定ミドル』
ミドル:3.6
『私のお気に入りのブラックフェイスツインリバーブの設定→MOD後のHRDの設定』
bass:4.2→4.58
middle:5.7→2.94
treble:5.2→6.65
ということでミドルを低めにすることに心がけてさえいればフェンダー伝統の音が出ます。
各ポット、ジャックのナットを外しトランスからの線をまとめているタイラップを切れば他の配線を外すことなく基板裏へアクセスできます。
これはもう一通り交換が終わった後のものです。我ながら随分とスキルアップしているな・・と。
(ところどころ見られる黒いマーキングの跡がいじったところですね。全部残っている訳では無いと思うので回路図と見比べながらやって下さい。)
基板表。オレンジドロップのでかさに戸惑いましたが熱収縮チューブ等を絶縁に使って無理なく納まります。
かっこいいー・・・。これをツマミに一杯やったのは言うまでもありません。
他にも何か見慣れない配線がありますがそれは次回。
(③に続きます。)