メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(EC11ロータリーエンコーダ / Jim DunlopラバーキャップMOD)

流行りのコトコト系キーボードを買いました。

RK ROYAL KLUDGE L98 ガスケット ワイヤレス メカニカル キーボード 左利き用 95% トライモード BT/2.4G/USB-C RGB ホットスワップ可能 ゲーミング キーボード

私の買ったものは左側にテンキーの付いているモデルで現時点では日本での販売はないようです。なぜ左側にテンキーが付いているものを右利きの私が買ったのかの話は別の機会に取っておき、今日は右上についているノブの話がメインになります。

上のリンクのものはUS配列のものですが、アマゾンで販売しているモデルにはなんと日本語配列に対応しているものもあります。
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もちろんこれにもノブが付いているのでダイヤルの話は共通・・・・もっというとノブ付きのメカニカルキーボードなら結構広く共通するのではないかと思っています。

ノブが小さい問題

このノブは普通はボリュームの上げ下げと押下時ミュートとして動作しますが、設定次第で自由に機能を割り当てることができます。(私は AutoHotkey v2 を使っていますが、ブラウザ拡張やアプリでもできると思います)。

例えば、動画視聴時にシーク(早送り巻き戻し)と再生、一時停止や動画編集時のフレーム送りに割り当てるとしましょう・・・途端に便利なノブになります。

でもね、これを見てください。
メカニカルキーボードのボリュームノブをMXRノブにMODしよう

メカニカルキーボードのボリュームノブをMXRノブにMODしよう
小せえのよ。
このサイズだとそれこそ摘んでの操作しかできないじゃん。私は指一本で操作したい。例えば中指の腹を側面に軽く当ててスルスルスル~ってな具合にね。

ギターキッズなら相応しいノブを知っているはずです。ゴムカバーを付けるとなんなら足でも操作出来ちゃうというあの伝説のMXRノブの存在を。

※記事中に登場するMXRノブ、Jim Dunlopラバーキャップはエフェクター自作のパーツ集めでお世話になっているGarrettaudioさんで10年以上継続販売されているK017 MXRタイプノブK017CAP Jim Dunlopラバ-キャップのことになりますので各設計の元ネタとしてご了承ください。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう/導入編

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
ノブモジュールはホットスワップなので引っ張れば取れます。そして慎重にノブを引き抜けばこの状態に。
このMXRタイプノブは横からネジ止めするタイプなので、これを軸に入れてネジ止めすれば完了・・・・のはずだったのですが

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
なんとモジュールのエンコーダの軸がものすごく短い。ネジの位置がギリギリアウトなところに行ってしまいます。

キーボードに使われているEC11系ロータリーエンコーダ(メカニカルキーボードのノブの多くがこれ)の軸は6mmスプリットローレットシャフト。
一方で、ギターエフェクターで使われるMXRノブは6.35mmポット軸用なので、そのままでは取り付けることができません。

なるほど。
こりゃもうノブ自体を自分で作っちゃった方が早いね。

Craftsmanがつくるメカニカルキーボード用MXRノブの仕様

  1. K017CAP Jim Dunlopラバ-キャップに完璧にフィット
  2. 6mmスプリットローレット軸(EC11系エンコーダ)に対応
  3. 押し込み動作で位置がずれない完全位置決め設計
  4. ラバーキャップ取付時頭の部分の凹みをなくす形状(押し込みしやすくする)

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう/設計製作編

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
ということでこれがFusion360で設計した仕様を満たすMXRタイプノブです。
頭が出ているのは仕様4のため。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
ローレット軸に嵌る形状は、なんと全周に溝を掘って対応させました。最初は六角軸穴で出力してみたのですが、どうしてもかっちり感が出ずバージョン5くらいにはこの形状になりました。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
上段左からMXRノブ(GarrettaudioでいうK017 MXRタイプノブ)、6mmスプリットローレット軸穴を持ったMXRクローンノブ、ラバーキャップ取付時の頭の段差を解消する最終形ノブ(出来たてでスカートが残っている)、下段ラバーキャップ、メカニカルキーボードノブモジュール、純正ノブ

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
市販のMXRノブにラバーキャップを取り付けるとこの様に押したい部分に凹みが出来てしまいます。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
今回設計した最終形状ノブはこの段差を解消します。積層痕がありますが、データ上はMXRノブに合わせた球面形状です。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
早速モジュールに装着・・・・うん、でかいな。

モジュール基板に負荷をかけずに組み付けが出来て尚且つしっかり食いつく寸法を出すまでに私にしては珍しく3回くらい試作をしました。(無理やり押し込むってのは良くないからね、必要工数でしょ)

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
この存在感でもDelやPgUpに余裕を持って干渉せず、押す時邪魔にならないいっぱいいっぱいの寸法感が満足です。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
MXRノブを最初に作った人もまさか令和の日本でキーボードの”ここ”に使われることになるとは思ってもみなかったでしょう。(そりゃそう)

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
ノブの側面に中指の腹を当ててスルスルスル~はこんな感じです。控えめに言って最高。

一応触れておくと、EC11エンコーダは押し込み機構があるので多少の遊びがあります。ノブが大きくなるとその動きも少し大きく見えますが、回転も押し込みも操作には全く問題なく、むしろ大きくなった分、軽い力で回せるようになり操作感はかなり良くなりました。

思いつきでラバーキャップ側も設計してみる

これだけ精度良く嵌るなら逆も行けるな・・・・ということで、
メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
今度はラバーキャップの代わりになるものを設計してみました。

形状は正確にトレースしながらもラバーじゃなくて樹脂(ABSを想定)なんだから滑るよな・・・・だったら外周にもグリップリブは設けた方がいいね・・・上面のリブに繋がる方が美観が良いなくらいの思想です。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
今回作ったものとか色々並べてみました。詳細は・・・分かるだろうから省略します。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
リブのおかげで逆に3Dプリンターならではの積層痕が目立たない秀逸な作例となっております。(本人意識せず)

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
取り付けた感じはいいね。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
大分時間も深くなっているので制作物とともに缶チューハイがならんでいますが見せたいのはそこじゃない。

メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)
ん~・・・機能は全然問題ないんですけどラバーキャップのスルスルスル~には正直劣る感触です。
加水分解の心配がないとかゴムが嫌いな人には刺さるかもしれないですね。TPUフィラメントで出力したら最強かもしれない。

それでこれ、3Dプリンターで作るんなら組み立てじゃなくて一体で良かったんじゃね?って声が聞こえますがそれにはこう答えましょう

ロマンがないじゃん?

※実は市販のMXRノブにそのまま嵌るいう崇高な役目がこいつにはあります。

おまけのコーナー

私Craftsmanが今回の企画『メカニカルキーボードのノブをMXRノブ化しよう(Jim DunlopラバーキャップMOD)』で製作した全てのパーツのstlデータを公開しちゃいます。

公開ファイル:mxr_knobs.zip

以下の4種類のSTLファイルを同梱しています。

  • mxr_knob_d4.stl
    頭が出ていないノーマル形状のノブ。
    ラバーキャップなしで使用したい方向け。
  • mxr_knob_with_head_d4.stl
    頭が出ているタイプ。
    ラバーキャップ装着時の段差を解消する形状(記事中で使用しているモデル)。
  • mxr_knob_d9.5.stl
    ノーマル形状で軸長が長い6mmスプリットローレットシャフトに対応したタイプ。
    ギター、エフェクターのコントロール軸にも使用できます。
  • mxr_cap.stl
    Jim Dunlopラバーキャップの代替として使用できるキャップ。
    市販のMXRタイプノブにも装着可能です。(GarrettaudioでいうK017 MXRタイプノブで設計)

※私はABSフィラメントを使いCuraで100.7%に拡大して印刷しています。(環境に応じて設定してください)
外殻を10層位にすることで十分な強度が出ます。
※この記事を読んで使い方が分かる方が対象です。(ノーサポートですが誰でも分かる記事を心がけましたので是非チャレンジしてください)
※商用利用は不可、ダウンロードは一世代のみで再配布は固く禁じます。
※再配布や商用利用を見つけた際には法的手続きを取ることがあります。

stlデータダウンロードリンク

さらに、3Dプリンターなんか持ってないよって人のためにはDMM.makeでパーツを注文できるようにしました。

私の家庭用プリンターよりはるかに性能の良い工業用の3Dプリンターで製作されたものがお手元に届きます。

こちらに関しても私が製作したものとは物性が異なりますので、材質を何で出力するかは最終的にはご自身で選んでいただきます。(ノーサポートです)
一応、全く駄目そうなものとコスパ悪そうなものは外してありますが、レジン系は脆い印象があるので注意してください。(多分今回は大丈夫)

MXRノブのラバーキャップに対応するノブ/6mmスプリットローレット軸メカニカルキーボード交換ノブ

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