アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア

クローゼットにギグバッグにしまったまま何年も放っておいたトラベルギター(ミニギター)があったことを思い出し、気まぐれで引っ張り出したところから今回の企画は始まります。

アコギのブリッジ浮き修理
ブリッジが見事に浮き上がっています。(見事にという割に写真だと分かりにくいので紙でも入れておけばよかったと反省)

そうそう・・・このギターはBaby Taylor 301-K-GB(ベビーテイラー)というもので型番の真ん中にある”K”はコアを表していてサイドバックにコア材が使われている一品です。それだけでもレアなのに年式的にUSAモデルということでもう激レアです。(Made in el cajon ,caのラベルが貼ってあります。)

だからといってショップにブリッジ浮きの修理を出すには修理代が本体価格に限りなく迫ってしまう・・・・そうだ!

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア

一応木工の覚えはあるけど、ギターのリペアは素人です。そんな私が考えた方法ということは、一発勝負で絶対失敗したくない人向けの方法になっているのではないかと思っています。

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
絶対失敗しないためにfusion 360でモデリングしたのが上の2点の部品です。

購入したものはギブソンのギターでも使用されているタイトボンド高儀(Takagi) Cクランプ3個です。Cクランプはベビーテイラー用に買ったのですが私のメインアコギであるギブソンサザンジャンボにも使えるサイズです。(とは言えギブソンは20年使ってますが全然浮いてきません。)

TakagiのCクランプは値段が安くてホント助かるんですがギターに使おうと思うとブレーシングを避けるために端材などでスペーサーを用意しなければいけません。
アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
それまでのことなのですが、どうせならとCクランプを使いやすくMODするために用意したのが一点目のパーツ。

takagi cクランプ改造
簡単には抜けない様な嵌め合いで作ったので常にここに差し込んでおくことにしました。サイズはこの通り対するワッシャーと同径になっています。

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
もう一個の部品がこれ。ブリッジの3D形状を反転した形になっていて・・・・・もうどう使うか皆さんお気づきですね?
(当たり面には一応ブリッジ表面保護のためにアセテートテープを貼りました。)

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
もちろんブリッジに乗せますよね?ピッタリに隙間なく当たります。

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
なぜ全面を覆う形にしなかったかですが、サウンドホール側は剥がれる心配がないからですね。弦の張力が常に押し付けるように働いています。となれば、あとは樹脂の節約と出力の時短の方が勝ちます。

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
タイトボンドを隙間に充填してサポート(スペーサーアタッチメント)を付けたCクランプでギュウギュウに締め込んであげれば絶対失敗しないでしょう?
(ボンドを少し残すように圧着するべきだっていう人もいるんですが、木工の経験的には強く締めた方が良い結果になっている気がします。今回もそうしました。)

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
自信のない人はおそらく上に書いたように隙間に充填でも大丈夫かと思うのですが、ラッカー塗装がブリッジの下に入り込んでいることもあり、より完璧を求めるならブリッジを一度完全に剥がしてしまった方が良いです。
※私は一度剥がしています。おそろしいことに工程の写真がぞっくり抜け落ちていたので以下にその場合の工程と注意点を書いておきます。

  1. ブリッジの部分を切り抜いたクッキングシートをマスキングテープで貼る。※ギター表板の保護
  2. ブリッジをヒートガンで熱する。※タイトボンドは100度位で溶けるので常にそれを意識する(ブリッジはそれより高い温度にしなければいけないけど熱しすぎない様に)
  3. 浮いている部分から薄いヘラを入れていく。※ヘラを持ち上げる動作をする時は注意。特に浅く入れて持ち上げると表板に刺さる。
  4. ブリッジ裏の古いボンドをペーパーがけで除去する。
  5. 表板側も古いボンドやはみ出しているラッカー塗装を除去する。※ボディが膨らんでいることがそもそもブリッジ剥がれの原因なので少しでも平らに近づける様に意識して削る。

アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア
修理完了!
それから二ヶ月間、一度も弦を緩めず弾き込んでますがブリッジが再び浮くことはありません。

おまけのコーナー

私Craftsmanが今回の企画『アコギのブリッジ剥がれを修理しよう/3Dプリントした専用ジグを使ったDIY修理のアイデア』で製作した全てのパーツのstlデータを公開しちゃいます。

ベビーテイラー、結構安くオークションに出ていることあるのですがそれらはほぼ全てブリッジが同様に浮いてきています。
私のジグを使えばそれらを失敗なく直せると思うので、それを自分の愛器とするも良し、完璧な形にして販売するも・・・まぁ良しか。

もちろん高儀(Takagi) Cクランプのサポートパーツも一緒になっています。一般的にはこっちの方が需要ありそうね。

※私はABSフィラメントを使いcuraで100.7%に拡大して印刷しています。外殻を10層位にすることで十分な強度が出ます。
※この記事を読んで組み立て方が分かる方が対象です。(ノーサポートです。)
※商用利用は不可、ダウンロードは一世代のみで再配布は固く禁じます。(ジグを使って直したギターを売ることまで規制する権利はありませんのでご自由に。)

stlデータ及びf3dデータダウンロードリンク

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク