ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/ロードバイク用熊よけ鈴の開発

※記事の最後におまけのコーナーがあります。

気づきベル・・・・対人用に使ってしまうと道路交通法上よくないらしいですがサイクリングロードでも動物用に使っているなら良い?
ヒルクライムではもちろん熊よけ鈴として使ってもいいよね?

そしたら、明らかに人間しかいないような街中では消音できるようにして、スマートに付け外しも出来たら良きなんじゃない?・・・・そう例えばガーミンマウントに。

というCraftsmanの脳内妄想から生まれた今回の企画はこれです。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/ロードバイク用熊よけ鈴の開発

以前やったガーミンマウントに付けられるベル(下のリンク)が楽しくてそれから着脱させる丁度よいものにアンテナを張っていた訳ですがまさに”The 丁度よい”ですねこれ。

ロードバイクにベル付けてます? 道交法では実は義務じゃないけど条例によって取り付けが義務化されている地域とそうでない地域があったりする...

Craftsmanの作る気づきベルの仕様

  1. 吊り下げ式のガーミンマウントに着脱できる
  2. ベルはダイソーのくま除け鈴(SUZ-20)を使う(安いから)
  3. 消音機能付き(操作が簡単で危険がないこと。鳴動状態を維持するギミックを設ける)
  4. だらしなく垂れ下がらないよう最低の高さで設計する
  5. 軽量であること(ロードバイクおじさん専用?)

1のガーミンマウントに着脱できること・・・・何と言ってもこれが目玉です。なぜならハンドルに直接固定する全ての方法が嫌だから。あと最近のエアロハンドルだとそもそも対応してなかったりするしね。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
ここのところをもっともったいぶった方が良いのかとも思いますがいきなり出すのがうちのスタイルなんでね。

・・・・・一応説明すると、ガーミンマウント(こちら側は英語ではプレートっていうらいしい)は以前自前で開発して調子よく使っているものの流用です。

ああ、あそこにベルが付くのかな・・・というところがあって、軽量化のためにナットは埋め込む部分だけ必要寸法にしました。エアロ形状?

消音マグネットは先端パーツに平らに埋め込まれ、折りたたまれた状態でサラねじ(ユニクロメッキ)を吸着し保持します。
※勝手な吸着を防止するためのギミック(仕様3)

ヒンジが邪魔そうに見えても実際は少しだけ下がった位置でベルと舌(ぜつ)を一緒に吸着するだろうという検討結果です。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
断面図も見せちゃおうかな。上のアニメーションと向きが反対ですがバイクに取り付ける場合左が進行方向としてこの向きがおすすめ。(逆だとベルがパラシュート効果?)

仕様の4を満たすべくベルはベルトや金属リングを介さずに直接取り付けます。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
3Dプリンターにパーツを配置する時はこのようにしてください。
強度を上げるためにABSフィラメントで外郭を10層位にしていますが、パーツの向きも重要です。

ループは強度の関係で、holding_plateはヒンジの関係で横置きになります。
magnet_baseは上下反転してヒンジを上にした方が良い結果になると思います。(もしくは横置き)

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
必要なパーツの全て。樹脂パーツの他に必要なものは

  1. 100円の内の50円くらい?が失われたダイソーの熊よけ鈴
  2. ネオジム丸形磁石 皿ネジ穴付 外径10mmX3mm M3
  3. M3x8mm(攻めれば6mmも行けそう)皿ネジ ※マグネット固定用
  4. M3ナット 3個
  5. M3袋ナット(拘らなければ普通のナットでも可)
  6. M3x18mm ナベコネジ
  7. M3x8mm サラネジ(ユニクロメッキ)※マグネット収納時吸着用
  8. M3x8mm(攻めれば6mmも行けそう) ナベorトラスorバインドネジ

ネオジウム磁石ですがリンクのものは吸着力が16.68Nということで私がホームセンターで買ったものより僅かに強い様ですが誤差だと思います。
ネオジウム磁石
一応私の買ったもののパッケージも載せておきます。(サイズは一緒)

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
私は後から追加したのですが、工程的にはここでやったほうが良いことが一つあります。

ダイソーベルの取り付け部分の穴には個体差もあるのでしょうが若干バリ(角が立っている)があるものがあるようで、今回のものは樹脂への攻撃性がありました。放っておいても削れてベルが落下するまでには大分時間がかかるとは思いますがこういう時に便利なテフロンテープというものがありますのでベル側に貼っておくと良いかもしれません。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
loopにベルを通してから指で縮めてholding_plateにセットします。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
base_plate_with_garmin_mountにloopの足の部分をはめ込むようにして写真だと右側に8のネジ、左側に7のネジで一体化します。※プレート間に隙間が出来ない様にループの取り付け部を切削して調整してください。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
マグネットをmagnet_baseに3のネジで固定したら、ヒンジ部分の組み立てです。
6のネジを写真の方向から入れていくと反対側がセルフタップになっていますのでそのままねじ込んでください。
※組み立て後の強度を考えた設計になっています。補強はされていますが最初にねじ込む際はセルフタップ部分をしっかり保持するようにしてください。(印刷の精度によっては折れるかもしれません。)

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
ドライバーでネジを回り止めしながら袋ナット(5)でロックして完成!
※ヒンジの動きが悪くならない様に。ネジの締め込みはあくまでネジで調整し袋ナットでロックする。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
鳴動時。
マグネットは吸着収納されます。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
消音時。
マグネットはベルと舌(ぜつ)を吸着し消音状態になります。

総重量は30gになりました。

いざ実車へ

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
鳴動時。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
消音時。

実走テストしたところ、マグネット収納時に限っては勝手に吸着消音してしまうストレスはなさそうです。

あえて厳しい見方をすれば、消音状態でもヒンジのところで多少動くのでこれが小さい音を立てることがあるのかなと思います。
また、重さのあるマグネット部が動くので大きい段差で投げ出されるようにベルが外れることもあるかもしれません。
※今のところは予測です。(マグネットを大きくすれば解決する可能性が高いことを知っていながら重くなるので触れたくないロードバイクおじさん・・・・※次章へ)

こういうのはやはり鳴らすのが基本で、街中などでエマージェンシー的に消音させるような使い方になるのかなぁと思います。

ポジティブシンキングすればそのためのガーミンマウント脱着機能だったのかなと。

一回り大きい12mm用マグネットに対応したヘッドパーツもつくろう

※この章は追記になります。
マグネットを大きくすれば解決する可能性が高いことを知っていながら重くなるので触れたくないロードバイクおじさん・・・・でしたが一回り大きいマグネット用ヘッドパーツもつくりました。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
ノーマル(10mm径x3mm厚 M3)が1.5kgfの吸着力に対して一回り大きい(12mm径x3mm厚 M3)のネオジウムマグネットは3kgfなので倍の吸着力になります。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
当然少し重くはなります。(あと3mmのわけだったのだけど実測ちょっとだけ厚い)

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
ヘッドパーツ(magnet_base_with_12)交換後。
取り付けの芯を後退させて、ザグリの径を大きくしただけなので全体的なサイズは変わりません。

※データリンクの方にはどちらのパーツも入っています。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き
悪路でもなるべく消音状態を持続させたい人はお好みでどうぞ。(もうちょっとだけ続きます)

最終形態!?12mmマグネットバージョンに追加したとあるパーツ

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
10mmネオジウム磁石の時には気にならなかったのですが12mmにすると収納時こうなります。
・・・うん、磁力が強いからね。

実際このまま使っても全然鳴るんですけど、せめてベルの自重で外れてくれるようにしたいと思います。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
追加したパーツはこの可愛いやつ・・・・名称はTHE キャップです。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
前もってキャップのセルフタップ穴にM3皿ネジをねじ込んでタップを作っておいてください。モンキーがかかっていますが対辺は8mmです。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
キャップはマグネット固定用のM3皿ネジ(※ステンレス)を10mmに変え、あえて飛び出させたところに取り付けます。
※ネジは鉄よりステンレスの方が磁束を妨げない分吸着力が強くなるそうです。(ChatGPT調べ)

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
物理的に距離が取れるので多少吸い付くように反応しても自重で落ちるようになります。
これはもう、小さい割に効果絶大です。

ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう
しかも(キャップを付けたことによる思わぬ副産物として)操作がしやすくなりました。

もしかしたらこれが完成形なんじゃないかと思いながら私自身は10mmを使い続けています。

・・・・だって、軽い方がさ・・・(小声)

ショート動画まとめをどうぞ。完成形ver組み立時の参考にどうぞ。(完成形って言っちゃてるし)

おまけのコーナー

私Craftsmanが今回の企画『ガーミンマウントに対応した消音機能付きの気付きベルをつくろう/消音マグネット収納機能付き』で製作した全てのパーツのstlデータを公開しちゃいます。

※私はABSフィラメントを使いcuraで100.7%に拡大して印刷しています。外殻を10層位にすることで十分な強度が出ます。
※この記事を読んで組み立て方が分かる方が対象です。(ノーサポートです。)
※商用利用は不可、ダウンロードは一世代のみで再配布は固く禁じます。
※再配布や商用利用を見つけた際には法的手続きを取ることがあります。
(メーカーさんなどでこのパーツに興味のある方はcraftsmanにご連絡ください。)

stlデータダウンロードリンク※今回作ったすべての樹脂パーツが入っています。

さらに、3Dプリンターなんか持ってないよって人のためにはDMM.makeで完成品(樹脂パーツ)を注文できるようにしました。

私の家庭用プリンターよりはるかに性能の良い工業用の3Dプリンターで製作されたものがお手元に届きます。(もしかしたらヤスリがけの必要すらないかも)

こちらに関しても私が製作したものとは物性が異なりますので、材質を何で出力するかは最終的にはご自身で選んでいただきます。
一応、全く駄目そうなものとコスパ悪そうなものは外してありますが、レジン系は脆い印象があるので注意してください。(ノーサポートです)

気づきベルwithガーミンプレート(消音マグネット折りたたみver)※10mmマグネット用。

NEW 気づきベルwithガーミンプレート(12mmマグネット折りたたみver)※12mmマグネット用。キャップも入ってます。

リンク先のものを1点ご注文いただくと10mm用、12mm用それぞれを構成する樹脂パーツの全てが届きます。あとはホムセンで磁石とネジ類、ダイソーでベル買ってきてください。

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