3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作

毎年人間ドック時に身体計測を行っていますが、ここ数年5mm位ずつ身長が縮んでるんですよ。
医師に聞いてみたら
「いやいや、Craftsmanさんの年齢で縮んでたら大変ですよ!それは姿勢のせいです。」
と言われたのが昨年のこと。

そして今年の結果に愕然としました。人生で一番高かった時より2cm以上低く結果が出たのです。看護師さんも察してくれて再計測を行い気合を入れて背筋を伸ばした結果5mm程度は伸びたのですが、このままでは来年が恐怖でしかないので少し真面目に考察をはじめたところから今回の企画は生まれました。

まず考察から。
お世話になっている病院の計測器は身長、体重、体脂肪の同時計測器です。背中を支柱に付けずに足のマークのところ(なぜかちょっと開いている)に立つと上から計測板が自動で下がってきて頭に当たることで身長が計測されます。

なぜ支柱に背中をつけてはいけないのかですが、多分体重を同時に計測しているせいではないかと思っています。

学生の頃の身長計測といったら支柱にかかとを付けて背中を支柱に当てるようにして計測していたはずですが、人間ドックの計測器では自分がまっすぐに立てているかどうかは本人の感覚に委ねられています。

それこそ姿勢次第でとんでもない結果が出てしまうということになるであろうという考えに至りました。

そして対策ですが、(病院の計測器を変えてもらうのは難しそうなので)家で壁などを使ってまっすぐに立つ練習をする・・・さらに言えば一番身長が高くなる姿勢を練習するということになりました。

長くなりましたがそうして生まれたのが今回の企画・・・・

3Dプリンターで身長計を作ろう

になります。民間で身長計といったら私も上で”壁などを使って”と書いていますが壁利用ではありません。

Craftsmanの作る身長計測器の仕様

  1. 計測(練習)することが億劫にならないように取り付けたままでも邪魔にならないこと・・・壁だとどうしても出っ張ってしまうことから他の身近の真っ直ぐで背の高いものとして白羽の矢が立ったのがスチールラック(25Φ支柱)でした
  2. 摺動動作がスムースでかつ未使用時(収納状態で)勝手に下がってこないこと
  3. 医療用並とは言わないがそれに準ずる正確性をもつ・・・2、3は機構で頑張る
  4. つけ外しが簡単に出来ること・・・(私の事情は置いておいて)普通は成長期の子どもに使いたいよね?スチールラックは性格上棚の間しか使えないため計測部の移動が簡単に出来る必要がある

設計製作編~3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
Fusion 360でモデリングした身長計パーツの全貌がこれです。
といってもこれじゃ分からないと思うので断面をお見せしましょう。

Fusion 360でモデリングした身長計パーツの全貌が以下です。
ドン!
摺動動作をスムースに出来て、正確に測れて、収納状態を保持出来る機構・・・・Craftsmanの設計ではこんな感じですかね。

ボールプランジャーを思い出した機械系の人、正解です。ただし、プランジャーを流用するのではなくて1/4インチの鋼球(自転車用ベアリング)とインクの出なくなったボールペンから取り出したバネで機能するように一から設計しました。

摺動をスムースにするため隙間を設けていますが、ボールが支柱を押しているためインジケーター(計測板)側が必ず支柱に当たり垂直を保持します。
※実測時、見る側の人は(機構上小さい遊びがあるのは仕様なので)測る人の頭に測定板を当てる際、支柱に前面を当てるようにしてあげれば正確な数値が読み取れます。(手を離せばバネの力で垂直に戻るけど意識的に真ん中より後ろ側を軽く引っ張りながら頭に当てればいい

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
3Dプリンターで印刷します。(ABS樹脂、収縮考慮で100.7%拡大、外郭10周)

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
この部品は穴の中の側面にももしかしたらサポートが付くかもしれません。そんなに強く付いていないはずですので綺麗にしましょう。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
インクの出なくなったボールペンからバネを再利用します。(誰の家にも必ず同じ様なサイズのものがあるはず)

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
全てのパーツがそろいました。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
右側のテープ?・・・・実は影の主役だったりします。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
ボールを入れたら、バネを入れます。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
エンドキャップを入れたらマイナスドライバーで右側に90度回します。※写真は固定状態です。90度きっちり回らなくても固くなったところでOK。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
支柱側を見ればベアリングボールが飛び出しているはずです。ピョコピョコ押してしばし楽しみましょう。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
スチールラックの支柱に例のテープ(メジャーマスキングテープ)を貼ります。メジャーの0を160cmとかキリの良いところに合わせ・・・・皆まで書くなってね。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
テープが剥がれないようにこちら側からインジケーター(測定板)を嵌めます。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
ベースパーツ(ボール側)を嵌め込めば自分で位置が保持できます・・・・というか完成だね。簡単でしょ?

例えば子供が今140cmで160cmまでの成長を測る時は棚板がその間になければそこで使うんだけど、それ以上を測りたい時はその上の段の支柱にインジケーターを移す必要がありますが、これが一瞬で出来ます。(実は棚板の移動が一番面倒だったりしますがそこまでは面倒見ないよ。)

ちなみにメジャーの部分はパーツ側をマイナスしてテープを傷つけないようにしてます。(芸が細かい。)

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
私の頭で設計したので普通サイズ以下の男性なら良いけど(女性、子供は余裕)、頭が極端に大きい人はもしかしたら測定板を長くする必要があるかもしれませんが、例のごとくデータのおまけコーナーが最後にありますので、そういうの含めて楽しんでください。

3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作
収納状態。これで保持です。

Youtubeショート動画まとめをどうぞ!

おまけのコーナー

私Craftsmanが今回の企画で製作した『3Dプリンターで身長計を作ろう/スチールラックパーツ自作』のstlデータを公開しちゃいます。

そればかりか、なんと今回はFusion 360で直接編集が出来るf3d形式のデータも一緒にしておきます。
25mm支柱(実測25.3mmだった)のスチールラック用に設計しましたが、他の規格の支柱用に設計変更したり、インジケーターの長さがどういうわけか足りない人?なんかはここからさらに楽しめるんじゃないでしょうか?

もちろんポン付け派のあなた・・・あなたのためにあります。

※私はABSフィラメントを使いcuraで100.7%に拡大して印刷しています。外殻を10層位にすることで十分な強度が出ます。
※この記事を読んで組み立て方が分かる方が対象です。(ノーサポートです。)
※商用利用は不可、ダウンロードは一世代のみで再配布は固く禁じます。
stlデータ及びf3dデータダウンロードリンク

さらに、3Dプリンターなんか持ってないよって人のためにはDMM.makeで完成品を注文できるようにしました。

私の家庭用プリンターよりはるかに性能の良い工業用の3Dプリンターで製作されたものがお手元に届きます。(ノーサポートです。)

こちらに関しても私が製作したものとは物性が異なりますので、材質を何で出力するかは最終的にはご自身で選んでいただきます。
一応、全く駄目そうなものとコスパ悪そうなものは外してありますが、レジン系は脆い印象があるので注意してください。

身長計インジケーター/height_meter_indicator
身長計エンドキャップ/end_cap
身長計ベース/height_meter_base

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