RD-R8150のディレイラーハンガーをダイレクトマウントハンガーに交換したタイミングでリヤディレイラーの再調整を行いました。
今回の企画は最大スプロケットとガイドプーリーの隙間を調整する時のちょっとした不便から始まります。

日本語のマニュアルではただエンドアジャストボルトの調整・・・英語のマニュアルだとB-gap adjustment(かねてのBテンション調整という言い方はやめたのかな?)と書いてあるこの作業にあると便利なのがGGアジャストゲージです。
シマノさんは多分無料みたいなコストでこれをユーザーに提供するために、なんと紙で作ってくれています。
しばらくぶりに出してみてびっくりしました。保管の仕方が悪くスリットのあたりで2つに折れてしまっているのです。
だって紙だからね。
しかもチェーンの汚れがついてたりします。
だって紙だからね。
なんだかヨレヨレしてて、これ以上汚すのも気になってしまって作業が捗りません。
3Dプリンターでつくろう・・・・すぐそう思いつくのですが、すぐには製作に入りません。なぜかってそれは思いつく大概のものは既に誰かが作っているから。
案の定、海外フォーラムとかで有志が作ったデータが上がっていて何個かFusion 360で読み込んで見たのですが・・・・・すげーなこれ。(たまたまかもしれないけど全部)寸法が出てないんです。
スマホで撮った写真下敷きにして適当になぞって作っちゃったん?てか、何を根拠に設計したんこれ?って無料のものに文句つけてないでさっさと作れってことですね。
多分誰よりも拘って設計したGGアジャストゲージ(B-gap adjustment gauge)
海外ニキは大雑把だからね・・・あまり細かいところは気にしないんだよ。出来たものでセッティングした結果オーライならオーケーって人が多いと大分偏見目で見てます。
ということで神経質な日本人が作るBテンション調整ゲージの仕様行きます。
craftsmanの作るGGアジャストゲージ(B-gap adjustment gauge)の仕様
- RD-R8150/R9250の34T、30T、28Tの調整に対応(純正を踏襲)
- シマノさんの設計を汲み取り根拠のある数値で製作する
- 樹脂ならではの機構(紙では実現できなかった見やすい形状にする)
3DプリンターでリアディレイラーのGGアジャストゲージをつくろう/設計製作編
ではいつものようにFusion 360で設計した完成版から。

これが仕様を満たすGGアジャストゲージ(B-gap adjustment gauge)です。
ファ!?全然形違うじゃん・・・って声が聞こえてきたような気がするんですがもう一度いいます。これがcraftsmanのGGアジャストゲージです。
だってシマノさんはコストを抑えるために紙で作ってるからね?こんな形状にしたくても出来ないんですよ。
てか、なんで皆そのまま樹脂で作ろうとするんだろうな。(この人はシマノの中の人の事情も外部の設計者の事情も知らず勝手なことを言っていますので注意してください)
一応私も(カメラじゃなく)スキャンしたオリジナルを敷いて設計しましたが、もちろんゲージの部分は理論値を調べてぴったりになっています。

今回はCADで先行してプーリーケージの外径をトレースして、それが本当に合っているか、さらには純正のゲージの寸法が理論値通りになっているかも検証しました。

めちゃめちゃアナログな方法ですけどね。・・・・令和でコンパス使ってる大人私以外でいるか?(いるわ)

純正のゲージが理論値通りだったことを確認できたのでこちらも自信をもって3Dプリントしました。

念の為にさっきの紙に重ねてみたりして。まぁそりゃぴったりだよね。

ではさっそく愛車のところに行ってみましょう。(実は既に純正の紙ゲージでセッティングは出ています)

めっちゃいい!
だってこれ右手でシャッター切るために左手でゲージ持ってるからね。(新しく設けた位置決めリップが機能してケージに安定して乗ります)
何より見やすい。これが大事。
(市場に今日時点で出ているものはスリット穴から覗くから見難いし、3Dプリントしたものに基準線を彫り込んだり浮き立たせたりどっちにしろ見難いんだよね)

ちなみに30Tとか28Tの時はこんな感じでスライドして使います。※持ってないからあくまでイメージです

紙のゲージはチェーンの汚れが落とせないので袋に入れて収納していました(だから折れ曲がっちゃったんだよね)が、ABS製のゲージはキレイにできるのでディスプレイ収納ができます。
・・・・てか、この穴引っ掛けるようだったんだ。
おまけのコーナー
私Craftsmanが今回の企画『3DプリンターでリアディレイラーのGGアジャストゲージをつくろう/多分誰よりも拘って設計したB-gap adjustment gauge』で製作したパーツ『B-gap adjustment gauge(GGアジャストゲージ)』のstlデータを公開しちゃいます。
※私はABSフィラメントを使っています。外殻を10層位にすることで十分な強度が出ます。
※ぴったりの理論値でデータは作っていますがお持ちの3Dプリンターのクセに合わせて微小な拡大縮小をしてください。ちなみに私は100%でぴったりでした。
※この記事を読んで使い方が分かる方が対象です。(ノーサポートです。)
※商用利用は不可、ダウンロードは一世代のみで再配布は固く禁じます。(販売が不可というだけでプロのメカニックがお客様のために使うのはもちろんオーケーです。むしろ光栄なことです。)
※再配布や商用利用を見つけた際には法的手続きを取ることがあります。
さらに、3Dプリンターなんか持ってないよって人のためにはDMM.makeでパーツを注文できるようにしました。
私の家庭用プリンターよりはるかに性能の良い工業用の3Dプリンターで製作されたものがお手元に届きます。
こちらに関しても私が製作したものとは物性が異なりますので、材質を何で出力するかは最終的にはご自身で選んでいただきます。(ノーサポートです)
一応、全く駄目そうなものとコスパ悪そうなものは外してありますが、レジン系は脆い印象があるので注意してください。
でも今回はもしかしたらクリア系のものにしたら面白いかも?