私の家弾きアンプであるホットロッドデラックスにはトレモロ(ヴィブラートチャンネル)が付いていません。実際需要もそうはないのですが、エフェクターに一つくらいあっても良いでしょう。
検索すると必ずヒットしてくるのがこのtremulus luneです。何かFenderっぽいかな・・・?
Fenderアンプにも採用されているLDRを使った回路・・・・なるほど設定によってはFenderっぽさを感じることが出来るのかもしれません。また、設定項目も多くこれでしか出せない変態サウンドもあり使い方次第ではかなり面白いものになりそうです。
製作編
回路図はtonepadより拝借。一応私の使ったバージョンは相手様のサーバーにご迷惑をかけない様ここにも上げさせてもらいます。tonepad_commonsound_tremuluslune
注意点と製作上変えた部品などは以下の通り。
- レイアウトでは100kΩになっているsmooth用のポットがパーツリストと回路図では500kΩになっています。私は500kΩにしました。
- ノイズ低減のために100pFのセラミックコンデンサをIC1の6、7番の間に追加。
- トリムポットを25kから50kへ。(単純になかったためです。25kの方が細かい調整が出来て良さそうですが、私の様に内部に半固定で使う場合には特に問題ないです。)
- 古い記事ですとVTL5C2の替わりにLED/LDRで自作する人が沢山いるのですが、前者も大分安くなっていますので手間を考えると今さら後者の方法にするメリットもあまりないでしょう。
- VTL5C2は文字を下にして取り付けます。左右方向はプリントを見てもいいですが足のピッチが違うので間違えないと思います。
- 基板にはレイアウトで言うところのSPEEDのところに穴が1個余計に空いてますがそれは使いませんので、何となく作ってしまって穴が一個ズレてしまわないように。(ズレました。)
基板はいつもの様に熱転写自作PCBです。私のプリント基板自作方法
多くの人は1590BBサイズで製作しているようですが私は1590B(MXRサイズ)に収めました。
ポイントというか楽した点としては、電池レスにしてインプット・アウトプットジャックとフットスイッチの位置を通常と入れ替え、さらにフットスイッチはオフセットさせたところでしょうか。
私はボードの関係でDCジャックを写真の位置にしたためにコンデンサーを寝かせたり立てる配置の抵抗を寝かせたりと面倒なことをしてようやく蓋が閉まるようになりましたがDCジャックは横じゃなくて下に付ければきっと楽々収まると思います。
デザイン編
いつもの様にイラストレーターでデザイン後、耐水ステッカーに印刷しました。
もちろんデザインのテーマは月です。中々いい感じに怪しく仕上がりました。ケースはステッカーを貼る前に鏡面仕上げしてます。私の鏡面仕上げ方法
ノブはスリムサイズですね。ちなみにSMOOTHにEがついてますけど意図はありません。参考にした何かがこうだったのか単純な間違いなのかも覚えてませんが後から辞書を引いたらこれでも良さそうなのでこのままです。
スピードノブや他のノブに追従して光り方が変わるLFOは常時点滅していて眩しい仕様です。これも色々なバージョンがあって例えばオンオフインジケーターと兼用にしちゃう考えもあるのですが、オフにしている時にも点滅していたほうが設定状況が確認できて良いと思うんですよね。オンにしていきなり変態サウンドが出ちゃっても困るし。そもそも暗いステージで目立ってカッコ良いかなーって。
後書き
ボリュームを外に出す人も沢山いるようなんですが余り意味なさそうな感じがします。トレモロが掛かった瞬間に音が小さく感じることがあるのでちょっとだけ大きめに調整したところで役目を終えそうです。
各摘みの役割と考察
- Depth: 揺れの深さ・・・・振幅で音量大から音量小となった時どれ位小さくするかの調整。余り深く掛けずに使うのが往年のフェンダーアンプっぽくて私は好きですが殆ど0くらいまで小さくしてしまうこともできます。変化が分かりやすいノブです。
- Speed: 揺れの早さ・・・・LEDの点滅速度を変えます。あんまり遅いと曲のテンポに合わせないと気持ち悪くなるので私は少し早め(デプスは浅め)にしておくのが好きですね。
- Fine: 揺れの早さの微調整・・・・との記述が見られますが、意外と可変幅が大きいです。スピードノブMAXからさらにグッと早くしたりもできます。
- Smooth: 矩形波←→正弦波・・・・動画なんかを見るとマックスで使っている人が多いように感じます。正弦波固定にしてノブ自体を取っ払っちゃう人もいるくらいです。上のノブに比べると変化は少なく感じます。
- Space: 揺れの中心レベル・・・・との記述が日本ではよく見られますが海外では”間隔”みたいな書き方がされています。現象としてこれを変えてもLEDの点滅速度がいくらか変わります。
多くの調整機能がありオーソドックスからちょっとしたサイケまでカバーできるトレモロの王様『tremulus lune』はさすがの完成度でした。
実際、回路図には”2004年作成”とありますがこれを超えてくるトレモロは中々出ないようです。
空間系はデジタル一個で済ますということも出来るでしょうがやっぱり温かみのあるアナログなサウンドがいいですね。
コメント
このエフェクターにとても興味があります
販売していただけないでしょうか?
よろしくお願い致します。
ナオキさん
コメントありがとうございます。また、記事を見て興味を持っていただけたこと、嬉しく思います。
さて、私の場合エフェクターの製作販売は基本行っておりません。もし、販売するとなれば私は社会人ですので手間から価格を付けた時どのエフェクターも20,000円を超えてしまうと思います。ほぼ1日位かかってしまいますもんね。
そういうところから考えると学生さんとかで時間を削ってでも少しのお金と引き換えにしたいという人もいると思いますのでそういう人を探して声を掛けると良いかもしれません。
作ってくれる人がどうしても見つからない時には上記の料金で製作することもできるかもしれませんがDIYで試みることも推奨しております。分からないことがありましたらまた聞いてみてください。