菱目打ち機(ハンドプレス機)の製作/自作

レザークラフトでは縫う際に前もって菱目打ちで縫い穴を開ける工程があります。普通これは左手で菱目打ちを持って右手にハンマーで打ち付けていくのですが、2点程難点があります。

  1. 慣れないうちは打ち加減を均等にできないので穴の大きさがマチマチになったりちょっと蛇行してしまったりする。
  2. うるさい。騒音が出る。

1は熟練することにより上手くなるでしょうが2はどうしようもないです。先人たちは下に防音マットを敷いてみたり工夫しているようですがそれだって限界がありますよね。

私はこの1も2も解決する方法として菱目打ち機を導入することにしました。

菱目打ち機(ハンドプレス機)の選定

結果から言うとやっぱりこれも自作(新たに設計製作)することになりました。
※良いものが安く売っていれば買ってしまうのも良いのですがやっぱり本当に欲しいものとなると条件を満たしたものがありませんでした。

一応機械設計を生業にしたこともある者の立場から一点だけ注意を書いておきますが、ドリルスタンドをちょっと弄って菱目打ち機に使うというのはお勧めできません。

プレスする様な使い方には強度が足りてないからです。これは例えば1万円以下で買えるものに限らずセミプロ用の卓上ボール盤であっても同様です。
穴を開ける際には実はそれ程力を入れて用いないので設計自体が違うということです。

従って女性やDIYに慣れていない人がすぐに出来そうだということでこれに飛びつくのは得策ではないです。(ヤフオクとかでちょこっと改造して菱目打ち機とタイトル付けて売ってますけど気を付けてください。)

自作菱目打ち機(ハンドプレス機)の仕様

  1. コンパクトであること。収納スペースの問題で高さ350以下、奥行き300程度で作ります。
  2. 軽いこと。女性でも片手で持てるくらいの重さに抑えます。
  3. 菱目打ちの高さが調整できると同時に押す力で菱目打ち自体がずれて上がる(緩む)ことのないようにします。
  4. コンチョのプレスまでは分からないがホックのカシメくらいはこなせる様にする。

自作菱目打ち機(ハンドプレス機)製作~完成まで

ハンドプレス機のフレーム溶接
メインのフレームの溶接が終わったところ。角パイプなので軽快な感じ。

世田谷ベースカラーに塗装した菱目打ち機
部品を並べてみました。フレームは今回世田谷ベース風カラーにしました。世田谷ベースの公式でも売ってるらしいですがちょっと高いので”それらしい色”で塗りました。

塗装の工程は

  1. 600番程度でサンディングして足付け。
  2.     

  3. パーツクリーナーで脱脂。
  4. ミッチャクロン下塗り。
  5. 世田谷ベースカラー?タミヤ「ライトゴーストグレイ」を塗装。2~3回塗り。
  6. 艶消しクリアー塗装。

金属に塗装する時には大体このメニューで失敗しません。

木ベース
これが実はかなり重要な部品なのですが・・・・・木で作った土台となる部分です。

一応簡単な計算ではこれに組み込むことでプレス機構として使うトグルクランプの締結力200kg近くは耐えてくれそうではありますが、本当はタモなどの堅木を使ったり厚みを増やしたりしてあげるとより安心です。今回は軽さを重視して杉です。ただし、杉は表面が柔らかく傷が付きやすいので木固めエースで表面硬度を上げました。

自作ハンドプレス機完成
組み立て完了。

自作菱目打ち機完成
木ベースは台を広く使うためにトリマーで本体のベースと同じ高さに彫り込みました。

上の写真ではロングナットにタップを立てたアタッチメントを付けていますが、どうしても工具の芯が出にくいので同時に検討してあった別アタッチメントへとすぐに交換しました。

自作菱目打ち機完成
はい。おなじみドリルチャックです。

これは10mmまでが咥えられますが手持ちの菱目打ちやホック打ちは問題なく使えてます。

(DIYで作りたい人のために少しアドバイスすると、このチャックは六角シャンクが付いてるのでまずこれを外します。チャックに捨ててもいいような六角レンチを咥えて万力に挟んでシャンクを回せばよいでしょう。外した穴は3/8-24UNFという規格になっていますのでM10タップで掘り直します。3/8-24UNFの雌ネジの内径8.38に対してM10タップの下穴は8.5ですので行けます。まっすぐにだけ気を付けて!)

菱目打ち機設計のポイント
仕様の項目3が分かり難かったかもしれませんが、高さ調整機構を別に設けずにチャックに挟む位置だけに頼る菱目打ち機の場合工具が絶対ズレてきてしまいます。

これを解消するために私のものはチャックには常に最奥部に当たるまで刺し込んでから固定するようにして、高さ調整は上部のロングナットをメインに行うようにしました。

ズレないのはもちろんですが、副産物として精度の良い高さ調整ができるようになっています。
ネジのピッチが1.5mmだから半分回せば0.75mm・・・1/4回転なら・・・・という感じですね。

※高さ調整=最下位置を正確にすることは菱目打ちの穴の大きさを揃えたい時にとても重要なファクターです。よくあるバネ式のハンドプレス機ではこれが出来ないものが多いので気を付けましょう。

菱目打ち機改良
さらに、改良したのがこれ。工具なしで高さ調整できるようにしました。

菱目打ち機改良
蝶ナットは市販のままの形状ではクランプのシャフトに当たってしまっていくらも調整できないのでこの様な加工が必要です。

ハンドプレス機高さ調整
もうちょっと分かりやすい写真。
この下にロングナットですが実は直接ドリルチャックをねじ込めば全高を50㎜近く低くすることもできます。しかし、それをしてしまうと使用方法の幅はグッと狭くなってしまうでしょうね。どんな工具を付けたいかまた、ワークの大きさだって分からないですから。逆にエマージェンシー的に外して使うことも出来る位の余裕があっても良いと思います。

カシメもできるハンドプレス機
カシメも難なく出来ちゃいます。

コンチョの自作に使えるかはいつか実験してみたいと思います。

菱目打ち機(ハンドプレス機)自作
しかし、工具ばかりでレザークラフト作品が一向に上がってこないところがこのブログっぽくていいね。

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コメント

  1. civi より:

    初めまして。
    ブログ拝見させていただきました。
    私もそのような目打ち機を製作してみたいと思っているのですが、全体のサイズを出すところから迷ってしまい中々決められずにいます。
    宜しければ全体のサイズを教えていただくことはできませんでしょうか。

    • craftsman より:

      コメント拝見するの遅くなりました。
      私のは上に書いてある仕様の通りの寸法です。部品点数少ないのでご自分で選んだトグルクランプとドリルチャックを含めたすべての部品を実際に並べてしまった方が早くて間違いないでしょう。

  2. civi より:

    ご回答ありがとうございます。
    参考にさせていただき、製作にチャレンジしてみようと思います。